夜神楽はその舞台装置、演目、登場する神々、舞い方、楽器の響き、唱教などに、さまざまな歴史が堆積してくる。 身体に眠っていた古代が目覚め、現代によみがえるような錯覚にとらわれる。 太陽の復活という宇宙の波動、そこに万物の再生を賭けている。 闇と光、夜と朝、冬と春、死と再生、その交差するところで夜神楽は続けられてきた。 巡る季節のなかで植物は花を咲かせ、実をつけ、枯れていく。 人の営みも、大海原の潮の流れも、銀河系の星の回転も、それらすべてはつながっているととらえていた。 人の魂が太陽とともに復活する壮大なドラマである。
『ひむか伝承異聞』所収