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井戸端会議に生きる

柳内やすこ詩集『地上の生活』

俯瞰することで、私たちは地球上の出来事や日常の生活を客観的に捉える機会を多く持ちつつある。距離を置けば置くほど、平凡であることが尊ばれ、取るに足らない出来事や何でもない会話が、価値あるもののように感じられてくる。

 昼と夜、喧噪と静寂、人の生と死、喜びと悲しみなど、繰り返される日常生活のなかで、健気に生きている人々の姿が思い浮かばれてくる。すると何故か、毎日の平凡な生活が愛おしく感じられ、その平凡さがとても価値あることのように思えてくる。これは一体、何なのだろうか。俯瞰する眼とは、ヒトを創った存在、いわば神の眼に近いといえないだろうか。俯瞰することで、地上の生活が愛おしく感じられてくるのは、恐らくちっぽけな存在である人間の苦しみや哀しみを見つめているからであり、ひとときであれ、生きていることへの親しみや肯定観に目覚めるからであろう。

囲炉裏のある居間で自在鉤に吊るされ熱された鉄瓶

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